スラッシュ☆モンスター
第T部@

・☆ 14.エピローグ

 風をきって、(はし)(はし)る!
 ただ今、中央中等学所の運動会、真っ最中!
 白い線を駆け抜け、ブレーキをかける。振り向くと、ヤッタ、一位だ!
 次に走ったルルも、一位!
「レナル、よかったよ、一位ね!」
 ルルが駆け寄ってきた!
「ありがと! ルルも一位でしょ、やったねっ!」
「ありがと」
「そういえば」
 僕は思い出す。
「レイユウも、一位だったね」
「そうね」
 そう言ってる間にも首にメダル(中央中学では、学年全体で一・二・三位のヒトには、メダルが授与されるんだ!)がかけられ、
「「ありがとうございます!」」
 僕らは頭を下げ、席に戻った。
「レナル! ルル!」
 ラウフが来た!
「ねえねえ、僕三位! ね、ね、すごいでしょっ?」
「ま、まあね……」
 銅メダルを見せながら叫ぶラウフに、ルルは困り顔。
 パン! パン!
 と銃が連続で撃たれ、徒競争の終了を告げた。
 お弁当だ!
「ね、ね、一緒に食べよう?」
 ルルとラウフ、そしてレイユウに声をかけると、
「いいよ」
「一緒だね!」
「喜んで」
 いい返事が返ってきた! ヤッタ!
 と、
「おーい」
 場所を探してると、聞きなれた声が――
 ビーニーズだ!
「どうですか? ご一緒にお昼でも……」
 やってきたウィンドが、自分達のお弁当を示しながら訊く。
 僕らは顔を見合わせた。一つ頷き、とびっきりの笑顔で振り返って、
「――喜んで!」

 

 喜ばしい運動会。色んなことがあったなー、と、僕は夏休みを振り返った。
 不思議な山で出会ったウィンド。
 雷雲の上にいた姫・サンダー。
 海の王・ウォーター。
 強気で好戦的なリーフ。
 チャーミングなソイル。
 ソイルのことが好きで、彼女のためならなんでもするファイア。
 皆個性的で、一緒にいるととっても楽しいビーニーズだ。
 ビーニーズ探しは、苦労したようで、そのわりにあっけなくて、色んなことした。
 そして、やっと見つけた友達。
 あ、そうそう、レイユウという新しい仲間も増えたしね!
 皆、広い世界の中で偶然にも出会った。
 だから、この出会いを――

 大切に、しなくちゃね!

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